She moved through the Fair

ドニゴール地方に伝わる古い歌から出来たアイルランド民謡。
訳すと『あの子はくるくると市場の中を』。
あなたが、どんなに貧乏でも私の兄は軽蔑しないし、お母さんも反対なんかしない。あの子は、駆け出して嬉しそうに市場ではしゃぎ、新居で使う日用品を選ぶ。
「もうすぐ、私たち一緒になれるわね」それが彼女を見た最後の姿。
この曲は、歌い手によって歌詞がそれぞれ違っています。はっきりと彼女が死んだと歌っているもの、私の訳のように暗示しているもの。単に裕福な家の娘と貧しい青年との結婚を親が反対し、自殺してしまった娘の話というだけでなくアイルランドにはカトリックとプロテスタントで激しい差別や抗争があって、宗派を越えての結婚はおそらく認められていなかったのでしょう。親に反対されている事を彼に心配させないよう、傷づけないよう秘密にする彼女。彼と一緒になれないと悟り、自ら命をを経ってしまう娘。けれど、魂は彷徨い彼の夢にでてきてしまう、悲しい曲です。

 

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